ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。






なんて、改めて思ったばっかりなのに!




トイレを出て、教室に戻る途中の廊下。




目の前から、あろうことか魔王with宮前龍太郎が歩いてくるのが見えた。

こっちの棟を歩いてるなんて珍しい…なぜか、それ以外の取り巻きはいない模様だし。だけど





“石コロド庶民と一緒に暮らしてるなんて俺のイメージ暴落だからな!”





はいはい、安心してください。石コロド庶民は石コロらしく、話しかけたりしませんから!





そう思って、身を廊下の端に寄せて黙って道を譲ろうとしたら






「おい」






あろうことか、魔王が私の目の前で足を止めた。





「え、は…?」


「は?じゃねーよ。これ」






ポンッと魔王のいかつい指輪で飾られた手が私の頭の上にのっかった。





「忘れてったろ」



「ん…あ、鍵?」






頭の上にのせられたものを取って見てみると、魔王の悪のダンジョン…いや、アパートの鍵だった。





そっか、私今日慌てて家出てきたから、玄関に忘れちゃったんだ!






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