ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
「え…でも北浜先輩は、バイトでは先輩だし」
「私そーいうの気にしないから……
ていうか私も正確に言えば一回バイトやめて今日が初日だから、実際、赤井くんの後輩みたいなもんだし」
「そうすか?じゃあ…お言葉に甘えて」
足を止めた赤井くんが、私を見てニッと笑った。
人懐こそうな笑みに、八重歯。
「これからよろしくな、りの!」
「っ」
り、りのって…!
突然の下の名前呼びに、思わずドキッとしてしまった。
つられて足を止めたまま黙り込む私に、焦ったような表情を浮かべる赤井くん。
「えっ、ごめ、敬語やめんだったら先輩って呼ぶのも変かと思って…もしかして俺なんかミスッた!?距離の縮め方早まった!?」
おもしろいくらい焦っている赤井くんがおかしくて、ふ、と笑みが漏れる。
「ううん、大丈夫。こちらこそ、これからよろしくね」
「おー!つか、じゃーりのもその、“赤井くん”ってやめね?友達って感じしねーわー」
え、友達!?