オレと…
雪
さらさらと
白くて冷たいものがオレにあたった。
きっと
恋人たちの好きな季節になったんだな。
時って早いな、本当に。
オレの隣には
雪だるまが作られた。
バケツかぶって
にんじんとか木の枝とかつけられて。
オレの頭には
小さな赤い手編みの帽子がかぶせられた。
通りすがりの人間が
『かわいいね。』って
そう言ってく。
オレの体に雪があたる時の
小さく微かなカツンって音が
オレは動物じゃないって
思い知らされたみたいで嫌だったけど
こんなオレでも
たまには良いことあるんだぞって
通行人を見て思った。
オレも捨てたもんじゃないって
そう思えた。