あなたは運命の人
「い、いってらっしゃいませ……」

掠れているがなんとか返せた。

桐人君は私を見ながら頭をぽんぽんすると柔らかく微笑んだ。

私の心臓、壊れそう。


桐人君は仕事に向かって行ったが、暫く私は桐人君のせいでベッドの上で放心していた。

だって意味が分からない。
私と結婚したいって、心から。
夜はあのキスの続きをするって……

私、どうなるの!?


『ピンポーン……』


そこにパニックに陥っていた私を我に返らせるインターホン。
客人なんて初めてだと慌ててインターホンに向かったのだが、モニターに映る人物を見た瞬間、私は固まってしまった。

だってそこには青柳先輩が居たから。

どうして私達の家を知っているの?
何しに来たの?

疑念が沢山溢れ出てくるが、桐人君と同僚だと思い出すと、もしかしたらお仕事関係かもしれないと思い、慌ててインターホンの通話ボタンを押した。


『貴女と話がしたいの。開けてくれない?』

自信あり気なルージュが私を挑発した。
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