あなたは運命の人
熱を出してから五日後の昼休憩、今日も美優にメールを送った。

『熱は上がっていない?ちゃんとご飯食べて、薬は飲んだかな?』

いつもならすぐに返信があるのに今日は無い。

『寝てる?心配だから起きたら返事頂戴。』

初めは寝ているのかと思った。


『婚約は正式に破棄させて頂きました。桐人君のご両親の会社が悪くなることはないので安心して下さい。母のためにありがとうございました。桐人君は彼女とお幸せに。』

十五時半、突然入ってきた美優からのメールに驚きすぎて、デスクに携帯をゴトン!と落とした。

突然どうなった?
彼女って誰?

さっぱり分からない。

その時、デスクに落とした携帯が鳴った。
母親からの着信だった。

「もしも『桐人、ごめんなさい!』

突然謝られた。

「何が?」

『私達のせいで美優ちゃんが飛び出して行っちゃったのー!』

デスクに肘を付いた手で頭を押さえた。

貴女達か。
< 147 / 172 >

この作品をシェア

pagetop