あなたは運命の人
「異論なんてないよ。桐人君、大事な私達の美優を頼むよ」

お父さんの言葉にうるっとしてしまう。


「じゃあ二人とも、今日から一緒に住みなさい!」

そこにお母さんが突然言った。


「「え」」

私と桐人君は同じ顔で固まった。

「いや、無理だよ!」

まさかの展開にお母さんのことを忘れて、思わず素で返してしまう。

桐人君となんて絶対無理!


「それが無理じゃないのよー!ちょっとまってて!」

そう言うとお母さんはその部屋にある写真が飾られているボードの引き出しから何かを取ると此方に戻り、私達の前に二つの鍵を笑顔で差し向けた。


「はいコレ!」

「何コレ」

私は疑問符を頭上に浮かべながら問い返す。
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