あなたは運命の人
俯いて必死に息を整えようとするが、中々治らない。

でも親切な方ばかりで良かった。
救急車が来れば何とかなる……


「美優!?」

地面を見ながら自分を落ち着かせていると、私を呼ぶ声が響いた。

今の声、桐人君だ。

ヤダ、近くにいたの、バレちゃった……。

顔を上げると私の両肩を掴んだ焦燥している桐人君を見つけた。

だが視界の端には、あの彼女。

そのせいで落ち着こうとした頭はパニックに。


「過呼吸か!?」

桐人君は前に私が過呼吸になったところを見たことがあるから、すぐに気付いたようだ。
私は小さくだが首を縦に振る。

「落ち着いて息を吐いて」

焦った顔の桐人君が落ち着いた声色で私の背中を優しく撫でるが、余計に悪化していく。

目の前の彼女から鋭い視線を送られている気がするから。

そのせいで意識が飛びそうなくらい朦朧となっていく。

「ちょっと我慢して」

桐人君のその言葉の後、突然目の前が陰る。
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