あなたは運命の人
誰かが優しく私を撫でてくれている。

前にも感じたこの感触。

凄く心地が好くて、もっとして欲しい。

頭にあった温もりが右頬に下りてきて優しく撫でた。

気持ち良くて自分から頬擦りした。

するとビクッとその手が跳ねて動きが止まる。

離れていくかもしれないと私は両手でその手を掴んだ。

もっと触れて欲しいから。

でも先程みたいに動いてくれない。

それが不思議で薄っすら目を開けるが、何も見えない。

次の瞬間、暗闇の中で唇に柔らかい何かの感触を感じた。

あの時のキスに似ているような……って、キス!?


驚いて目を開けた。
先程とは違い、明るい。

朝だ。
ということはさっきのは夢。

なんて破廉恥な夢を見てしまったのだろう。

恥ずかしい。


「おはよう」

両手で顔を覆っていたら左隣から声が聞こえて驚いて左を見る。
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