【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


「あの、そんな遠くに行かなくても……」

 買い出しに行くだけなら、近くのスーパーでいいのに。

「気にするな。俺が気分転換したかったっていうのもあるから」

 凜人さんは優しい人だから、そう言って気を遣ってくれるけれど……。

「……はい」

 時々その距離感が、いつもより遠く感じる時があるんだ……。そういう時は、ちょっとだけ寂しくなる。

「美乃梨、この家の生活はどうだ?」

「はい。もうすっかり、馴染んでしまいました……」

 わたしがそう言うと凜人さんは「そりゃあもう3ヶ月も住めば、そうなるよな」と笑いながら言った。

「はい。……凜人さんのおかげです」

「そんなことはない。……俺は最近、お前のことを早川や鈴音にばかり任せてしまっているからな。寂しい思いをさせてしまっているのではないかと、思う時もある」

 そう言って凜人さんは、わたしの方を見た。少しだけど目が会う形になって、わたしの鼓動は急に早くなった気がした。

「……そんなに見つめられると、恥ずかしいです。凜人さん」

 そう言うと凜人さんは「まるで俺のことが好きみたいな言い方だな?」と言った。
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