【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


 荒井は「じゃあ俺は戻るわ」と言って処置室から歩き出した。

「荒井、ありがとうな」

「いいってことよ。じゃあお疲れさん」

「お疲れ〜」

 荒井の後ろ姿を見送った後、俺は医局へと戻った。

「……ふぅっ」

 しかし大変だったな……。あんなに一気に患者が運ばれてくるとは思ってもなかった。しかし食中毒が集団で出たとなると、おそらくその店は保健所から衛生管理の件について指摘され、営業停止になるだろう。

「続いてのニュースですーーー」
 
 その日夕方、集団食中毒が起きたことはニュースで報道され、間もなくその弁当を販売した店に保健所の人が来て衛生管理について調べられることになったらしい。その後店は、2週間の営業停止処分を受けたと報道された。

「加古川先生、さっきの食中毒の患者さんたち、血液検査や腸内検査したけど、特に異常なかったよ。 まだ何人かは下痢の症状出てるけど、薬を処方して飲んだみたいだから、もう大丈夫だと思う」

 医局へと戻ってきた川富先生がそう言ってウォーターサーバーから水を汲んだ。

「そうか」

 とりあえずは、大事に至らなくて良かった。
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