【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「しかしこの時期に食中毒なんて……。なんてことって感じね」
川富先生は自分の席に座り、コンビニの袋からパンを取り出してそのまま食べ始めた。
「本当だな。この時期に食中毒……。衛生管理に問題があるんだろうな」
「本当ね。食中毒が集団で起きたらこんなにも大変なのをよく知ってるのに、いざくると人手が足りないことを思い知らされるわね」
「……本当だな」
川富先生の言うとおりだ。救命はいつだって人手不足なのだ。こうして少ない人数の中で処置をしなければならないのが現実だ。 だから誰もが救命医にだけはなりたくないと口を揃えて言う。
救命医はいつも人手不足に悩まされている。研修医で来るヤツは皆使えないし、研修期間が終わっても救命に来るヤツなんて誰もいない。人手不足だなんだ言ってる場合ではないが、もう少し働きやすい環境にしてくれたらありがたいがな。
「加古川先生知ってる? 救命ってね、医者の中でやりたくない仕事一位らしいよ」
「そうなのか?」
まぁ確かに、救命医は大変な仕事だ。夜間関係なく患者は運ばれてくるしな……。