【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


「だから救命には、だーれも来ないのね。悲しいことに」

「仕方ない。救命は夜間関係ないからな。 それに夜間も診察出来る病院なんて、この辺にはここしかない。それが大きな病院としての特権みたいなものだしな」

 救命の仕事を向いていないと思うことも何度もあるが、結局この仕事は辞められそうにない。俺はなんだかんだ、人を救うことでやり甲斐を感じている。患者がたくさん運ばれてくる救命には、救える命がたくさんある。……だけどその分、失う命もある。

 助けられなかったその命の分まで、俺たちは懸命に働かなければならない。日々やってくる毎日の中で、患者を助けることにこんなに真剣に向き合っているのは、きっと救命医だけだ。

「そうね……。だけど大学病院なんて、権力振りかざして民間病院を手玉に取るような所よ?そんな病院で働くわたしたち医者は、結局は病院の言いなりってことね」

「どんな事情があっても、俺たちは患者の命を救うことが最優先だ。……病院の事情なんて、患者には関係ないからな」

 働き方改革だなんだ言う前に、救命医を増やしてほしいくらいだ。
< 147 / 184 >

この作品をシェア

pagetop