【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
どうやら早川さんは、すごい人みたいだ。
「うん、美味いな」
「恐れ入ります。 ではわたくしはまだ掃除が残っていますので、失礼致します。ごゆっくりどうぞ」
「早川、すまない。後で空き部屋の掃除も頼む。彼女がこれから住むんでね」
すると早川さんは一瞬、驚いた顔をしたけど、すぐに「……かしこまりました」と言って部屋を出ていった。
「早川は我が家の家政婦なんだ。もう家に来て5年になる。彼女は優秀な家政婦だ」
「そうなんですね……」
確かに紅茶も淹れ方もそうだし、パウンドケーキの焼き加減も上手だった。まるでお店で食べるみたいなそんな味だった。
「所で美乃梨」
「はい」
今度は何を言われるのだろうかと構えながら、次の言葉を待った。
「この家に住む話、本当に受けるか?」
そう聞かれてわたしは、少しだけ迷った。だけどその答えは、変わらない。
「……はい。凜人さんが本当にいいと言うのなら、ぜひお願いします」
そのためならわたし、何でもする。凜人さんはわたしの命の恩人なのだから。……だから少しでも、恩返しがしたいと思う。