【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「誰かの、ために……」
そんな思いで凜人さんは、医者になったんだ……。自分もそんな辛い思いをしたから。だから医者になって、たくさんの命を救いたいって思ったんだ……。
「兄は優しい人なの。だからあなたのことも助けたんだと思う。 兄は目の前で誰かが死ぬのを、もう見たくないの」
「……そうだったんですか」
「これを言うかどうか迷ったんですけど……」
鈴音さんは少し口を閉ざし、再びこう言った。
「兄はあなたがまた、自分のいない所で死のうとしてるんじゃないかって。そう思ってますよ」
「……え?」
「あなたのことを心配してるの、兄は」
そう言われて、わたしは何も言えなかった。
「だからわたし言われたの、兄に。あなたが変な動きをしないように、あなたのことを見張ってほしいって」
え?あ、だから、買い物に……? それで妹さんに、わたしのことを頼んだってこと……?
「兄は医者としてはすごく優秀だけど、本当はすごく不器用なの。ストレートな言葉で伝えることも、なかなか照れくさいみたいでね」
その言葉にわたしは「……意外です」と答えた。