【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜

医者としての覚悟【凜人Side】

　俺の名前は加古川　凜人（かこがわ　りひと）

　職業は救急救命医だ。俺が勤務する大学病院には、大勢の政治家や芸能関係者が特別患者（VIP）、いわゆる特患として入院したり、人間ドックなどを受けに来ることが多く、メディアや雑誌などで度々取り上げられたりしている。

　民間の病院とは違い、最近では最高難度のオペを成功させたり、教授の書いた論文が掲載されたりと、何かと話題になっている病院だ。

　しかし大学病院ともなると、派閥争いが後を耐えない。教授選が近くなる度に、誰が誰に投票するとか、そんなくだらないことばかりに意識を飛ばしてるのが大学病院だ。

　俺はそんな大学病院の救急救命医として働いている。医者になって早10年。元々は脳外科医として勤務していたが、派閥争いなどに巻き込まれるのがめんどくさくなり、その後救急救命医へと転身した。

　救急救命医はいつも忙しい。毎日のように患者はやってきて、一人でも多くの命を助けることが出来るように手を尽くさなければならない。

　だけど救命医も人手不足だ。限られた人数の中で処置をするのは、困難を極める。