【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「……ありがとう、ございます」
缶を受け取ると、それはまだ温かくて、ちょっとだけホッとした。
「……おい、女。お前どうして、あんな所で死のうとした?」
ブラックのコーヒーを口にしたその人は、わたしに視線を向けながらそう言った。
「…………」
わたしは答える気にならず、黙ったまままだ温かいカフェオレをひとくち口にした。温かくてほんのりミルクの香りが、口の中に広がった。
「死にてぇ理由が何かあったから、身を投げ出そうとしたんだろ?」
「…………」
「黙ってたってわからねぇだろ。あんだけ泣いておいて」
その冷たい言葉を言われて、わたしは下を向いた。
「……わたしにはもう、何も残ってないの」
そして本当に小さい声で、そう言葉にした。
「え?」
「……わたしの人生はもう、絶望しかないの。家も恋人も仕事も失って、生きる理由がなくなった。なんのために生きればいいのか、分からなくなったの……」
そう言葉にした瞬間に、また涙が溢れた。あれだけ泣いても、まだ涙が出てくるみたいだ。
「……そうだったのか」