【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「……はい。分かっています。 すごく反省、しています」
「そうか。……ならいい」
美乃梨が目の前で死んだりしたら、困るのは俺だ。なんのために助けたのか、分からなくなる。
「……あの、凜人さん」
「なんだ?」
美乃梨の方に視線を向けると、美乃梨は「凜人さんに、聞きたいことがあるんですけど……」と遠慮がちに話した。
「聞きたいこと?」
「はい。……凜人さんはなぜあの日、あそこにいたんですか?」
「え?」
「あの日、わたしが身を投げ出しそうになった時、凜人さんはわたしを止めてくれたけど……。どうしてあそこにいたのかなって、思って」
美乃梨は俺にそう問いかけると俺のことを見つめた。
「あの場所は、俺のお気に入りの場所なんだ」
「え? お気に入り……?」
「ああ、俺も人間だ。何かに躓いたり悩むこともある。 そんな時、あそこに来て街の風景を屋上から眺めると、気持ちが軽くなるんだ」
昔からあの場所は、俺にとっては大切な場所だ。何かに悩んだ時は、あそこで深呼吸すると落ち着くんだ。
「……そうだったんですね」