【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
複雑な表情をしていたその人は、コーヒーを思いっきり飲み干すと、わたしにこう言った。
「そんなんで人生、諦めんのか?」
「……え?」
「家も仕事も恋人も全部失ったのは、気の毒だと思う。……だけどまだこれからいくらだって、人生やり直せるんじゃねぇの? そんなんで人生諦めて死にてぇなんて、諦めんの早すぎじゃね?」
そう言われたら確かにそうだ。だけど……。絶望しかないこれからのこの人生に、明るい選択なんてあるの? わたしにはそんな未来、想像も出来ない。
「……あなたに、わたしの何が分かるの」
「は?」
「あなたに、わたしの何が分かるの? あなたみたいな人には、わたしの気持ちなんて分からないでしょ?……あなたは一度に、家も恋人も仕事も失ったことなんてないでしょ?」
諦めるの早すぎって言われても、この先わたしは生きていても地獄でしかないの。生きていても楽しくもないし、ただ辛いだけ。 こんなにも虚しい空っぽな人生なんてごめんなの。
「ないね。俺は住む所も食べる物も仕事にも困ってないからね。困ったこともない」