【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
……この人、メチャクチャムカつくんだけど。腹が立って仕方ない。なんなの、その上から目線。
「……おい、女」
「……何ですか」
「お前、名前は?」
は?名前? そんなの、言う必要ある?
「……言う必要、ないでしょ。名前なんて」
もう二度とこの人と会うことなんてないんだ。聞く必要なんてないはずなのに。
「いいから、名前は?」
「……里川美乃梨(さとかわみのり)」
仕方なく名前を伝えた。名前を聞いてどうしたいのかなんて、分からないけど。
「じゃあ美乃梨」
「はい?」
美乃梨? え、いきなり呼び捨て……?
「お前、家がないんだったな?」
「……そうですけど」
「それなら、俺の家で暮せばいい」
「…………。はい?」
え、今なんて?どういうこと? なんか一瞬すぎて、全然何言ってるのか分からなかった。
「美乃梨、よく聞け。俺がお前に、住む場所や食べる物など全部与えてやる」
…………。え、何言ってるの?訳分からない。え、何それ。どういうこと?
頭の中空っぽで、着いていけない……。