【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


 凜人さんから求められる回数が増えたことで、夜を一緒に過ごす時間が長くなった気がした。

 それこそ最近は、今までしたこともなかったキスもしてくれるようになった。……その時だけわたしは、凜人さんのことを本当の恋人だと思って抱かれている気がしていた。

 わたしは愛されている、わたしは凜人さんのもの。そんな考えがいつも頭に浮かんでいるんだ。

 凜人さんとキスをするのは、体を重ねる日の夜だけ。だけどわたしには、それでも十分だった。そんなことでも、小さな幸せを感じてしまう。

「……凜人さん」

 そしてわたしは気が付いたら、凜人さんのことばかり考えている。……いつからだろう、わたしはいつからか凜人さんのことを好きになってしまっていた。

 だから凜人さんに抱かれるたびに、わたしは一人で勝手に幸せを感じていて、一時(ひととき)だけのその時間を大切にしてしまっている。

 だけどその気持ちを伝えることなんて出来ない。そんなことしたら、わたしはきっと凜人さんを困らせてしまうだけだから……。

 凜人さんは仕事に一生懸命な人だから、好きだと伝えて迷惑をかけたくない。
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