今日からはじまる恋の話
「あれ、鈴村がこの時間にいるの珍しいね」
共同スペースのリビングでアイスを食べていたら、ルームメイトの宇津見零士が帰ってきた。
零士は俺と同じで21歳。三鷹寮でも同じF棟に住んでいて、この家でも部屋は隣同士だ。
「遊びに行こうと思ったけど金欠でやめた。お前こそいつもこの時間はいねーのにどうした?」
「洗濯機の調子が悪いままだから、コインランドリーに行こうと思って。鈴村のもついでにやってきてあげようか?」
「あーじゃあ、俺も一緒に行くわ。どうせ暇だし」
三日分の洗濯物を紙袋に突っ込んで、零士と出かけることになった。