今日からはじまる恋の話
あとがき
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
本作は林檎シリーズの最終章でした。
当初シリーズにするつもりはまったくなくて、綾子目線の「きみは林檎の匂いがする。」という短編で終わるつもりでした。
けれど、綾子と零士のその後が浮かんできて「きみはやっぱり林檎の匂いがする。」を書いてみたら、今度は零士の過去が書きたくなりました。それが「あの日に置いてきた初恋の話」です。
その時に、零士の恋を書かなければこのシリーズは終われないと思いました。ですが、なかなか零士の恋の相手が浮かびません。年上か年下か、慎重な零士が心を動かされる相手は誰なんだろうと、かなり長い時間悩みました。そこでふと数日前に現れたのが鈴村です。
「俺とお前になんの違いがあるんだよ」と言いきれる彼ならば、私は零士の恋が書けると思いました。
他の三作品は短編ですが、本作では少し長く書かせていただきました。
短編では表現を濁していた部分も、本作ではしっかりと書こうと思ったからです。
もしかしたら今までの林檎シリーズと雰囲気が違うと感じる方もいらっしゃるかもしれません。(ガイドラインの境界線がわからないので、非公開にされるかもしれないと怯えてます……苦笑)
さて、林檎シリーズはこれにて終わりです。もしも本編から読んだ方は是非ともタグの林檎シリーズから飛んで短編を読んでいただけたら嬉しいです。
時系列は「あの日に置いてきた初恋の話」→「きみは林檎の匂いがする。」「きみはやっぱり林檎の匂いがする。」です!そのうちひとつにまとめるかもしれません。
次のページからはおまけです。林檎シリーズの始まりを飾ってくれた綾子目線です。
最後になりますが、この作品を読んでくださって、本当にありがとうございました!
多様性は可能性。林檎シリーズを書けて幸せでした。
2021・6月 永良サチ