やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

「じゃあ俺が預かるよ」
「は……?」
 ごく当たり前のようにそんな科白を吐く河村君に目を丸くする。

「従弟君は俺が預かるから、三上さんは心配しなくて良いよ」

 にこにこ笑う河村君に、いやそうじゃなくてと思わず突っ込むのはおかしくないと思う。

「俺んち三上さんの家から近いし、同性だし、何もおかしくないよ」
「いや、おかしいと……思うけど……」

 他人なのに……とは言えない。
 いや、そうなんだけれど、何だか言ってはいけない言葉のような重さに、必死に代わりの言葉を探す。

「えっと、迷惑を、かけちゃうから……」
「いいよ、その代わりまたお礼して欲しいな」

 でもどうやら河村君にはそんな言葉では動じないようで。
「それはちょっと!」

 思わず声を荒げれば河村君の目がすっと細まった。
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