やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
「だって……嘘だったんだもん」
「んん?」
焦りながらおしぼりを渡してくる美夏に、向かい合う自分の気持ちを探りながら、恐る恐る口を開く。
「河村君と、本当は付き合って無かったの」
「……」
「友達だから、河村君の都合に付き合っていただけ」
「……ん、んー? それが本当なら……」
美夏は優しい声でよしよしと私の頭を撫で続ける。
されるがままに、私はホッと息を吐いた。
「河村さんは最低だね」
けれど続く言葉にがばりと頭を上げる。
「自分の一方的な都合に友達を付き合わせるものかね? それって友達っていう言葉を盾にしてるだけじゃない?」
その言葉に私は口を開けて固まった。