やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

 細身な方に見える。けれどだからこそ余計に高身長に見えるようで。
 そんな事を考えると圭太が手に持つ数日分の荷物が目に入った。
(あ、荷物持ってあげた方がいいかな?)
「圭太」
「家こっちだから」
「えっ?」

 「「「……」」」

 思わず固まってしまったのは、圭太の荷物に伸ばした私の腕を河村君が掴んでいるからで……
 ついでに言うと、先程聞こえた「家こっちだから」は河村君の科白だ。

「あの、誰……?」
 物凄く警戒した表情で河村君を睨みつける圭太に慌てて取りなす。
「あ、圭太。この人は大学の頃からの友達で……っ」
「従弟君は俺の家に泊まって貰う事になったから」
 さらりと続ける河村君に圭太の顔が歪んだ。
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