やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

「……受験生の邪魔にならない事を優先するなら、俺の家を貸してあげる方が勉強に集中出来ると思うんだよね」

 笑っているようで笑っていない河村君の言葉の説得力に、成る程と思ってしまう。

(……だから彼氏設定なのかな?)

 でも圭太は多分気分転換に来ただけで、そんなに真面目に勉強するつもりは無いような気がするけれど……
 なんて独り言を呟いている間も、二人は気にせず話を進めていく。

「それに俺たちはいつも一緒にいるから、従弟君が気遣う必要は無いよ」
(えーとそれは、何もない。と言う意味だよね?)
 ……そう言い切られてしまうと少しだけ寂しい気もするが……友達として安定してしまったこの距離感。
「雪ちゃん」

 けれど振り返った先の圭太が泣きそうな顔をしてきたので、慌ててしまう。
 けれど圭太の受験を考えて言うならば、きっと……
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