やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

「飯食ったら勉強するから家借りるよ貴也さん。あと今日の夕飯は寿司ね」
「こら圭太!」
 にやりと笑う圭太を叱り飛ばす。
 食費は預かっているからちゃんと用意する。けれどそんな態度はいただけない。

「まあ……俺も寿司は暫く食べて無いし、いいんじゃないかな」
 けれど咎める私を宥めながらも、河村君はどこか嬉しそうに告げて。
「でも……」
「そーそー、食べ終わったんなら出てって下さーい。受験生は勉強しないとね」
 ぱっぱと埃でも払うように手を振られ、苦笑いをする河村君に手を取られた。

「行こう」
 圭太に追い出されるような形で、けれど河村君に手を引かれ、一体どちらが部屋の主人なのか分からない。そんなぼやきを胸に、私たちは河村君のアパートから出たのでした。
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