やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
(何だ?)
むっと振り返った先には写真屋のショーウィンドウがあって、そこに映り込んだ何かが光を反射しているようだった。
睨みつけるそこに映る自分と目が合い、はっと息を飲む。
(何だ、誰だ……)
そこにはやつれた男がいた。
(俺、か……?)
確かに最近片付けばかりしていた。
愛莉の事を清算する為に……あれこれ画策して──
やっと終わったそれに気持ちは晴れやかだった筈なのに、何故鏡の男はこんなにも……
(醜い……)
すると硝子に映り込んだ男の姿が愛莉に変わる。
ぎょっと身を竦めれば、その顔が歪んだ笑みを浮かべた。
その様に喉が鳴る。
同じだ……
俺と……
今の、俺と……
自分勝手な愛莉が、自分と──
いつの間にか同じ顔をしていた。