やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
目を白黒させる私の手を取って、河村君は困った風に笑って見せた。
『俺はもう、三上さんじゃないと駄目になっちゃった』
捨て犬のような表情で紡がれるその言葉が胸にぐさりと刺さり、私はあっさりと陥落してしまった。
今も玖美ちゃんから私を引き離そうと間に割り込んでくる河村君には、愛しさしか覚えられない。
私も自分がかなりの末期だと知ってしまったので、時々覚える不安は、出来る限りの努力で賄っていこう、と思う。
ご両親の前で畏まり、数日後にうちの両親に河村君が挨拶に来てくれて、やっぱりそれもとても緊張した。