やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
うちの両親はやっぱり結婚前の同棲は嫌だったらしい。
けれど叔父さん夫婦から元カレが自宅に押しかけてきた話を多少誇張されて聞かされていたようで。
私が一人暮らしをしている事に不安を覚えていたみたいだった。
結果、東京と福島、いざ何かあった時に側にいてくれる、頼りになる相手がいた方がいいと判断し、同棲を認めてくれた。
何より、今現在お付き合いしている家の実家に転がりこんでいるとは、両親も申し訳なかったようだ。
それに、事情があるとはいえ、挨拶をすっとばして一緒に住む事をしなかった河村君に誠意を感じたようで、両親は河村君を会った時から気に入っていた。……これはどちらかというと、河村君のお母さんの功労だけれど。
玖美ちゃんと仲良くできて嬉しいし、ご両親にもとても良くして貰ったけれど、流石にこの状況を長引かせるのは忍びなかったので、両家へ挨拶をして「婚約」という形を早めさせる事にした。
お付き合いの期間は短いけれど、「これも縁ね」と、笑って受け入れてくれた河村君のお母さんが、胸に響いた。