やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

 好意を持って貰えるという事は、こんなに見てくれるものなんだなあと、初めて知った感覚に胸が高鳴って仕方がない。
 しかも私も河村君が大好きで、つい見てしまうから、いつも視線が絡んで、その度に笑顔が返ってきて──あああもうっ、幸せなのです……

 ぷしゅーと頭から湯気を出しながら、すっかり慣れた河村君の大きな手に包まれて歩き出す。

 これから二人で住む物件探し。
「これから暫く忙しいけど」
「?」
 振り仰ぐ私に河村君は悪戯っぽい笑みを返す。

「住むところ探さしながら、式場も探さないとでしょ?」
 当たり前だけど、プロポーズをされたという事はそう言う事で……
「う、うん」
「早く二人だけでゆっくり過ごしたいね」
「河村君、ちょっともう私は限界が……」
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