やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
おまけ②
「じゃあ、こう言うキスも、初めて?」
「んんっ!?」
口の中に入って来た異物に混乱して声を上げたが、その声ごと飲み込まれた。
いつからか力が抜けた身体を労わるように、ベッドに横になっていて、その上に貴也がいる。
押し返そうとする舌が絡み合って、変な感触に身体がさわざわと泡立った。
息苦しさも合わさって眦に涙が溜まる。
両手を貴也の胸の前に置き、押し返そうとする力が入らない。へなへなと抜けていく力が、まるで貴也に吸い取られていくように感じた。
「雪子……」
やっと少し離れてくれた貴也をぼんやりと見上げる。
「うん……」
呼ばれてるのが分かったから、返事らしきものを返したけれど、意図は汲んでいない。
近くにある表情は、酷く悩ましげだ。