やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
どうしよう。は、こっちの科白だよ。
意を決して貴也を見据えて口を開く。
「私は貴也を、もっと好きになるからね。それでも──」
良ければ、は声になる前に貴也がまた、飲み込んだ。
真っ直な眼差しを向けながら、貴也はやはり切なそうに、雪子を見た。
「雪子、一足先に、俺と、愛を誓ってくれる?」
それはプロポーズみたいな言葉。
震えたのはその身か、心か。
ずっと見出せなかった、自分だけに向けられた、それ。
嬉しいと、湧き上がった感情はそれだけで。
だから、
「はい」
ああ本当にどうしよう。
今が一番幸せなんじゃないだろうか……
幸せを噛み締めれば、今度は涙が溢れてきた。
こんな形で泣く事になるなんて思わなかったよ。
「今が一番幸せだって──」
「え?」
「これから何度も、感じさせる」
「うん」
誓い何度も合わさる唇が、胸まで温めてくれて。
嬉しくて、幸せで。
だから、溢れる涙はそのままに。
「私も、貴也に、そう思って貰えるように、努力します」
だから、
「一緒に幸せに、なろうね」
そうして幸せなキスを沢山して、後は……
幸せな時間を、一緒に過ごした。