やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

おまけ③


「おかえりなさい」

 そう言われて思わず固まった。
 最近仕事が忙しい。プライベートも幸せなくらい忙しい。おかげて今日雪子が来てくれる日だと、うっかり忘れてしまう程に。

 いや、忘れていない。少なくとも会社を出るまでは覚えていた。だから少しでも早く帰りたくて気ばっかり急いて、そのせいで余計に遅れて。
 更には電車でうっかり眠ってしまって、寝ぼけた頭で帰ってきただけだ。それだけなんだけど……

「ただいま」

 そう言えば雪子がにっこりと笑うものだから、たまらなくなる。
 直ぐに手を伸ばして抱きしめて。
 この距離にいてくれる事が嬉しくて仕方がない。
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