やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

 俺は愛莉が可愛すぎて今まで他の女子に興味を持つ事が無くて。そもそも愛莉は、何故か殆どの女子に嫌われていたから、そんな奴らと仲良くなんて出来る筈も無かった。

 けれど雪子は他の女子たちと違っていて。
 気付けば俺は愛莉への想いを雪子に話して、恋愛相談みたいな事をしていた。



「雪子さんに悪いわ……彼女、大丈夫なのかな?」
 ぴくりと身体が反応する。
「……いい加減もう、大丈夫だろう」
 雪子に伝えたのは一週間前、愛莉に伝えたのは二年前。
 雪子へのお別れの言葉──

 愛莉と同棲するにあたって、流石に雪子と付き合い続ける事は出来なかったから。

 この二年、愛莉は事あるごとに雪子の名前を出しては、申し訳無いと悲しそうに話してきた。
 その度に俺の罪悪感も積もっていく。

 雪子の気持ちは嬉しかったけど……
 ずっと愛莉への想いが叶わなくて、思い詰めては愚痴り、落ち込む俺を励まして認めてくれた、唯一の人だったから……

 だけど別れを選んだ人。
 だってやっぱり俺は愛莉が一番で──
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