やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
愛莉に、雪子と付き合う事にした。と報告したのは、気持ちの区切りを付けたかったから。
だけど……大切な幼馴染の彼女に是非会ってみたい。と愛莉に言われれば、やっぱり何かを期待してしまって断れなくて──
それからすぐに好きだと涙ながらに告白された時、やっぱり愛莉がいいと思ってしまったのだ。
雪子とは上手くいかなくて、別れてしまったと了承すれば、愛莉は驚いていたけれど。嬉しいと抱きついてきて……
愛莉と付き合うと決めた時、本当に雪子と別れれば良かったんだけど、雪子は意外と男女問わず人気があった。優しいし、人当たりの良い性格だからだろう。
だから付き合って直ぐに俺の都合で別れれば、非難の目はこちらに向けられるだろうとつい怖くなって、別れを先延ばしにする事にした。
ほとぼりが冷めるまで……
そう安易に考えていたものの、雪子との付き合いは、なかなか終えられなかった。
なんて言うか……雪子は癒された。
愛莉が奔放に振る舞う分、雪子といると心が休まる感じがして……手放せなかったのだ。