やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
けれどそれも学生が終わるまで。
愛莉が一緒に住みたいと言い出したから。
愛莉は俺たちの事を親に話してしまった。
俺たちは幼馴染だし、お互いの親も悪いとは言わなかった。
元々愛莉の親は一人暮らしの娘を心配していたし、智樹君なら──と、一緒に暮らす事を提案してきた。勿論将来を視野にいれて。
どうやら同棲を望んでいた愛莉は、それを手放しで喜んでいた。
愛莉が笑えば俺も嬉しい。
けど──
雪子がいないのに、大丈夫かなとも思った。
疲れた時、落ち込んだ時に愛莉と会うと余計に辛くて……そんな時ばかりは雪子じゃないと駄目だったから。
そんな考えに首を振り、愛莉と目を合わせる。
(こんなに可愛い愛莉と四六時中一緒にいられる事を……ずっと望んでいた)
同棲の先には結婚が待っている。マリッジブルーなんてまだ早い。
けれどそう信じてきて、たったの二月で、俺の心は折れそうで……
「ねえ、また先輩から誘われちゃった。断り辛いから、一回だけ行って来ていい?」
ひくりと頬が強張るのを感じる。
男の先輩からの合コンの誘い。
同棲相手がいると知っても誘うらしい。