やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
でも、そうじゃない。
私の告白を受けながら、愛莉さんとも付き合っていた。
好きになれなかったとはいえ、「恋人」に対する誠意を欠いていた人に、私が私の価値観でいくら反省しても、きっと無意味なんだ。
──お互いの見ているものがずっと違ったんだから……
今はもう、長く片想いだった愛莉さんと結ばれた理由すら、もしかして私を当て馬にした|成果《・・)かったんじゃないの。なんて、穿った見方すら芽生えてしまう。
(でも、それならもっと、早く振って欲しかった)
どうして私と付き合い続けていたんだろう……
「……酷い別れ方をして直ぐに忘れられるなら、良かったといえなくもないけど」
ぽつりと零す河村君に顔を向けたまま、今度は自分の意思で、はっきりと口にする。
「忘れられるというより、もう忘れたいわ、あんな奴」
言い切る私に河村君はポカンと口を開いた後、ぶはっと吹き出して笑った。