やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
貴也視点
日向智樹は何と言うか、感覚派な奴だった。
見かけ真面目なくせに、中身は大雑把というか、なんというか……
フットサルの動きもそんな感じ。「なんであんな動きしたの?」と聞くと、返ってくる答えは大体「何となく」だった。
勿論それが良い結果に結びつく事もあるけれど、いずれにしても自分を省みる事をしないから、結果が次に活きる事は無かった。
まあ趣味のようなサークルだし、そこまでは……と言えばそれまでなのだけれど、じゃあ何のための練習なんだとか。負けっぱなしじゃやる気出ないとか、そう言う話にもなるもので。
結果、なんて言うか……俺は日向に好かれていないようだった。
(努力の方向性が違うんだよなあ)
俺から見るとそうなんだけど、本人にとっちゃ精一杯頑張っている。じゃあお前はどうなんだと結果を引き合いに出されると、やっぱ考え方が違うんだよなと思う。
過程の方が大事じゃね?
結果に結び付かなくても、努力の方向性が分からないままがむしゃらに走っても、何が良かったのか、悪かったのかを自分で把握出来ないなら意味がない、と思う。
まあ日向は、そんな風にぐちぐちと言いたくなるような、俺にとっては相性の悪い相手。