やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

(愛莉さんが……可愛いから……)
 一目で目を奪われて、彼女を泣かせた私を嫌悪しているのだ。
 智樹もそうだった。
 少しでも愛莉さんに非があるような発言をすれば嫌がり、時には怒った。

 あの時はどうしていただろう……思わず記憶の底に押し込めたそれに手を伸ばす。

(そんなつもりは無かったと、智樹に謝って……それで……)

 込み上げてきそうになる感情を何とか抑える。
 あの時、少しでも、一つでも愛莉さんに勝ちたくて、智樹は嫌がるかもしれないけど……そう思っても止められ無かった、彼女への苦言。
 
 智樹は顔を顰めて怒りを露わにした。

『やめてくれ、彼女はそんな人じゃ無い。雪子に何が分かるんだ』

 どんな時でもブレない智樹。
 遊びで付き合っていた彼女なんかより本命の幼馴染が何より大事。
 当分顔を合わせたく無いと、謝る機会も貰えないまま……何日許して貰えなかったか……
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