やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
「あのさ……」
ぐっと私の肩を引き寄せながら河村君が続ける。
「俺は日向と同じサークルだったけど、あの時あいつ、皆に三上さんを彼女だって紹介してたけど? 君こそ本当に日向の彼女なの?」
河村君の言葉に、愛莉さんは瞳を大きく見開いた。
私も思わず息を飲む。
「い、一瞬の話よ。そうでしょう? その後直ぐに私と付き合ったんだからっ」
けれど直ぐに気を取り直し、愛莉さんは両手を握りしめて訴える。そんな様子を河村君は相変わらず興味無さそうに一瞥して。
「二人は卒業するまで付き合ってたけど?」
残酷な真実をあっさりと口にした。
それを聞いた愛莉さんは、口を丸く開けて固まっている。
(知らなかったのね……)
そういう意味では彼女も被害者なのかもしれない。でも、