運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
ここはホテルの美粧室。
朝早くから準備を始めて、髪を巻き、プロのメイクさんに化粧もしてもらった。
…今日は私達の結婚式…
“コン、コン、コン”
メイクを終えた私が、控室で座っていると、誰かがドアをノックした。
「…お姉ちゃん、スゴイ綺麗だよ…」
ひょっこり顔を出したのは、妹の真美だった。
真美も髪をアップにして、ブルーのワンピースがとても可愛い。
「真美!ありがとう。真美も可愛いね…」
「今日はお父さんも緊張しているみたいだよ…お姉ちゃんとバージンロード歩くんだもんね…」
「うん。私も躓いたりしないように、気をつけなくちゃ…」
音楽が鳴り、扉が開く…
父と腕を組み前に進むと、沢山の拍手が迎えてくれた…
真っすぐ
進むその先には…
白のタキシードが眩しい、圭吾が優しく微笑んでいる…
圭吾は私に手を差し出してくれている…
私はその手をしっかりと掴んだ…
その時、圭吾は小声で囁いてくれた…
「恵美…綺麗でドキドキするよ…」
そして、誓いの口づけをする…
私は涙が頬に流れていた…
披露宴には、京子や、早乙女さん等、会社の方々や友人も駆けつけてくれた…
その中には、健斗の姿もあった。
健斗は笑みを浮かべてお祝いを私達に伝えてくれる。
そして最後に、圭吾の真正面に立って話し始めた。
「龍崎さん、僕が言える立場ではありません。でもどうしても伝えたくて…恵美さんを絶対に幸せにしてあげてください。」
圭吾もゆっくりと頷きながら…
「ありがとう…高山君、僕の命に代えても恵美は幸せにすると約束する。」
二人は笑顔で握手を交わす。
(…健斗…ありがとう…いろいろあったけど…私は幸せになります…)
結婚式と披露宴を無事に終えた私たちは、ホテルのスィートに居た。
「…恵美、疲れただろ…大丈夫か?」
「…うん。大丈夫…」
圭吾はいつものように、頬にふわっと口づけをして、抱きしめてくれる。
「…圭吾…私がお婆ちゃんになっても、今と同じように頬にキスしてくれる…?」
「…当たり前だよ、そのころ俺はお爺ちゃんだけどな…」
私は想像して、フフッと笑ってしまった…
「圭吾がお爺ちゃんでも、カッコいいだろうね…お婆ちゃんたちに追いかけられたりして…」
「…恵美!いまから妬いているのか…俺はずっとずっと…恵美だけを愛しているよ…」
私達は引き寄せられるように、唇を重ねた。
私のお腹では、きっと可愛いベビーが微笑んでいると感じる
“…永遠に愛してね…生まれ変わっても、また私を探してね…ルシファー…”
“…リリス…愛してる…”