運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
髪が濡れて、水が滴る部長に心臓がドキッとする…
美しい顔に男の色気があふれ出ている…

「鈴木さん、男の部屋に泊めてくれなんて…俺をそんなに信用しているの?」

「…はい。」

「参ったな…」

「無理に襲わないって信じています…」

「同じ部屋に好きな女がいても我慢するなんて…俺の人生で初めてだよ…」


私は先にシャワーを浴びさせてもらい、ベッドも譲ってもらった。
結局、部長はソファーで寝ることになってしまった。
ベッドに入っても、心臓のドキドキが止まらず寝られない。


「どうしよう…寝られそうもない…」

龍崎部長がシャワーからバスローブで出て来た。

寝たふりをしながら、そっと龍崎部長を見ると…
バスローブ姿もかなり色っぽい…
大人の男性の色気が溢れすぎている…

見なければよかった…寝られない…

すると…突然…龍崎部長がクスッと笑った。

「鈴木さん、寝られないのだろ?こっちにおいで。」


全部気づかれていた!!


私は龍崎部長の座るソファーに、少し距離を置いて座った。

「缶ビールでも飲むか?」

部長は買ってきた缶ビールを取り出し、私に渡してくれた。

部屋には雨の音がゴウゴウと響いているが、静かだった。
私の心臓の音が聞こえないか心配なほどだった。


「あ…あの…龍崎部長…」

「…ん、どうした?」

「龍崎部長は…」

「鈴木さん…会社の外では部長はいらないよ。」

「り…龍崎…さん…」

「…なに?」

「私…高山さんに…プロポーズされました。」




「…そう。…おめでとう」




「…あの…それだけですか…」

「…俺は、君を愛しているが、君の幸せを壊すつもりはない…」

「 … 」


私、何を言っているのだろう…
何を言って欲しいのだろう…
嫌だ…そんな自分が嫌になる…


こんなに近くにいるのに…すごく遠い…
手を伸ばせば触れるのに…触ってはいけないの?…

でも…

「龍崎さん…あの…お願いがあります…」

「…っん?」

「同じベットで…寝て頂けますか…?…何も期待しません…ただ近くに…居て欲しい…です。」

「…参ったな…俺を困らせることばかり…我慢できなかったら…どうするんだ…」

「あなたを信じています…」


龍崎さんは、呆れたようにため息をついた…


諦めたように龍崎さんは立ち上がり、いきなりバスローブを脱ぐ…

「な…な…なんで裸に…なるんですか…」

「別に意味はない、いつも寝るときは裸なんだ…問題でも?」

「べ…べつに…ありません…」


龍崎さんの引き締まった体…無駄なく付けられた筋肉…
心臓がドキンと鳴る。

「早くしろ…俺と一緒に寝るんだろ…」

先にベットに入った龍崎さんは、私に手を差しだした…
私はその手にエスコートされるようにベットに入った…
心臓はさらにドクンと鳴り続け、顔が熱くなる…


「…恵美」


龍崎さんは、私を抱き寄せ、額に口づける…
唇が触れたところが熱くなる…

私は自分が抑えきれず…自分から唇を重ねに行く…

応えてくれる、甘い口づけ…

ずっと…ずっと…このままで…

時間を止めて欲しい…





「ピピピピ…」


時計のアラームが鳴り、目が覚めた…
いつの間に寝てしまったんだろう…


ベットの横を見ると、龍崎さんの姿はない…


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