運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
京子がまた新しい情報を仕入れてきたようだ。
「ねぇねぇ…恵美…」
「…なに?」
「前世占いって知っている?」
「前世を占うの?」
「すごく当たる占い師さんがいるらしいよ!」
「…ふぅ~ん」
「恵美は興味ないの?」
「…ちょっと…あるけど…」
「良かった。今日の仕事終わったら、占いに行こうよ…実はもう予約しといたんだ。」
「すごい行動力だね京子…」
(私はあまり占いは信じていないけど…)
(前世占いという言葉が気になった…)
(何を言われるか少し興味がある…)
会社からそう遠くではなかったが、駅を降りると静かな住宅街だった。
そこに、蔦の絡まる小さな建物があった。
「あっ、恵美…ここみたいだよ!」
京子は嬉しそうに私を手招きして、ドアを開けた。
そこには、一人の女性が座っていた。
肌の透き通るような美しい女性だ。
少し瞳の色がグレーでミステリアスな雰囲気を持っている。
「予約した西条です。よろしくお願いします。そして友人の鈴木さんもお願いします。」
その女性は静かに頷き、私たちを前に座らせた。
先に占ってもらったのは京子。
京子の前世は、歌を仕事にしていたことが分かった。
思えば京子は音楽が好きだし、自分が歌うことも好きだ…
すごいな…けっこうわかるんだ…
そして私の順番になり、私は女性の正面に座った。
その女性は私を見るなり、目を大きく開けて驚いている…
「あ…あ…あなた…」
「…っえ…」
「あなたは、あの方の生まれ変わり…?」
「あの方…とは…?」
「り…り…リリス…様」
その言葉に稲妻が走った…。
やはり…本当なの…。
「そして、あなたをいつも見守っているのは、悪魔ともいわれるルシファー様…」
「あの…ルシファーはどんな方だったのですか?」
「私もそんなに詳しくはないのですが…もともとルシファーは堕天使で、その前は最高位の大天使だったそうです。とても美しいと聞いたことがあります。そして妻のリリスをとても愛していた…とも言われています。あなたを今も大きな愛で見守っていると思いますよ…」
「私は…どうすれば良いのですか…」
「…わかりません…ただ…あなたもルシファーを忘れることはできないと思います…」
私は気づいていた…ルシファーの愛の大きさも気づいていた…
これから…どうすればいいの…