運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
泣き崩れる私をそっと座らせ、龍崎部長はどこかに姿を消した。

マネージャーと京子が到着したのは、その後だった…

“手術中”のランプが点灯している…


長い…長い時間だった…

いつしか窓から太陽を感じるようになり、朝になっていた。

まだ健斗は手術室から出てこない…

私は祈るように、健斗を待っていた…

暫くするとガチャンと音が響き、手術室のドアが開いた…
中から酸素マスクを着けて、眠っている健斗が運び出される…


医師が説明にやって来た…
「高山さんは、一時心臓が止まり大変危ない状況でしたが、その後奇跡が起こりました。心臓も動き出し急激に回復に向かったんです。きっと皆さんのお気持ちが通じたのですね…」

医師は優しい笑顔を見せて去っていった…

「健斗…よかった…本当によかった…」

京子やマネージャーも大声で喜んでいる…私はその場で倒れ気を失っていた…。


夢を見ていた…

健斗を連れていく死神…

そこへ現れたのは悪魔だ…

何か死神に話をしている…

悪魔は自分の羽の片方を折り、死神に渡した…

その羽と引き換えに健斗を手放した…


京子の呼びかけで私は目を覚ました。

「やだぁ…もう…高山君が助かったら、恵美が倒れるんだもん…驚いたよ…でも、よかったね…奇跡が起きたってみんな言ってるよ…」


あの人が、健斗を助けてくれたんだ…

自分の大切な羽と引き換えに…

ありがとうございます…

涙が止まらない…
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