運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
マネージャーは丁寧に仕事の説明をしてくれる…
解っているのに…申し訳なく思う…
「鈴木さん、すごいね…一度の説明で覚えちゃうなんて…」
(…それは…私がやっていた仕事ですから…)
お昼になり、ランチに行こうとしたとき、可愛いい女性が営業部に走って来た。
その行き先は…
健斗…
「ねぇ健斗…今日の帰りに寄りたいところがあるの…」
もしかしたら…
健斗の…彼女…
そして…遠くからでも光っている、薬指のリング…
(…あの指輪は健斗が私にくれたものに似ている…)
私は思わず二人を見つめていたようだ…
その姿を見てマネージャーが私に説明してくれた。
「あの男性は高山くんで、その横の女性は彼女ですよ。もうすぐ結婚するようで、羨ましいなぁ。」
…健斗の彼女…結婚…
「…そ…そう…なんですね。とても仲良さそうで…素敵なお二人ですね…」
たぶん…私の笑顔は、ひきつっている…
私はいたたまれず、事務所を出た。