運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~

扉が中から開けられず、焦っていたところ…

ガシャンと音がして電気が消え、部屋の中は真っ暗になった。

「…やだ…真っ暗…噓でしょ!」

慌てて窓のカーテンを開けようとするが、電動で動く仕様のカーテンが開かない。

やっとの思いでカーテンを引っ張り、5センチくらいは開けることが出来た。


(やだ…どうしよう…携帯電話も、持ってきてないし…)

(…でも、お客様が来ればカギは開くよね。…)


私は仕方なく椅子の座り、誰か来るのを待つしかなかった。



(…どれくらい時間が経ったのだろう…)



(…お客様も来る気配もない…)



(…窓の光もそろそろ夕方の光になって来た…)



(…助けて!!)


応接室にお客様が来る気配は全くない。
最上階の会議室は、一般社員が来るところではない。


(…こんな最上階の会議室…誰も来ないよ…)


会議室の空調も止まったのか、部屋は徐々に寒くなってくる。
寒さと恐怖で体はカタカタと震え始めた。


(…助けて…寒い…恐い…)


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