運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
早乙女さんに自宅へと送ってもらい、私たちは家に着いた。

長い…長い…一日だった。

いろいろありすぎて、頭がくらくらしている。


「…恵美…今日は、いろいろ…すまなかった…恐い思いさせたな!」


ソファーに座り、龍崎さんに抱き寄せられた私は、安心からかまた涙が溢れていた。

「……圭吾も無事で良かった…」

「…あぁ。心配かけて悪かった…」


唇がもう少しで触れそう。

目を閉じて口づけを待っていた。


その時!


龍崎さんは、いきなり私の両肩を掴み、前に押し出し私の顔を覗き込んだ

「…えっ?」

私は何が起こったかわからず、目をパチパチしていると。


「恵美…思い出したんだけど…」

「…は、はい…」

「いくら命の恩人だって言っても、早乙女にべたべたし過ぎじゃないか…?」

「…っは?」

「俺が薬で動けないとき、気づいたら早乙女に抱き着いてただろ…」

「…な…なに言っているの?」

「早乙女も、お前を連れていくとか、何とか言っていたし…」

「圭吾!!」

「早乙女だけは絶対にダメだからな!俺はやきもちなど妬かないが、あいつだけはダメだ!」


私は思わずブッと吹き出して笑ってしまった。
いつも冷静で完璧な圭吾が、そんな子供みたいなこと言うなんて…

「恵美!笑い事じゃないぞ!!」

私はとても今幸せだ。
こうして龍崎さんと笑っていられることが、夢のようだと感じていた。

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