運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
ランチの帰り道、後ろから誰かに肩を叩かれた。
「…早乙女さん…!!」
京子は急に現れたイケメンに、驚いている。
すかざず、可愛い笑顔を作るのは京子の得意技だ。
(…そうか…京子は早乙女さんも覚えてないのか…)
「早乙女さん、今日は会社に用事ですか?」
「うん。先日の事件の時、犯人を罰してくれたら、契約する約束だからね…隣の美人さんは…?」
(…さすが…早乙女さん…女心がわかる…)
京子は素早く可愛い顔を作って自己紹介をする。
「あっ、同じ営業部の西条京子です。鈴木さんとは同期入社なんですよ!」
「西条さん、早乙女といいます。よろしくね…じゃあ、僕は先に行くね。」
早乙女さんは、眩しい笑顔で私達にウィンクをすると、急いでいるようで先に会社へと向かった。
早乙女さんが去ったあと、思った通りの京子の反応だった。
「め…恵美…今の人…誰…?すごいイケメン!!」
私は思わずクスッと笑ってしまった。
(…記憶から消されてしまったけど、京子と友達に戻れたし、私は全て失った訳じゃない。)