運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
「恵美、もう出発しないと、式に遅れるぞ…」
「…うん。もう少しでメイク終わるから待っていて、圭吾!」
今日は健斗の結婚式
式場は海の見える素敵な教会だった。
式場の入り口には、すでに準備ができた健斗が出迎えをしていた。
健斗だ…
挨拶しなくちゃ…
龍崎さんの後ろから近づく…
「高山君、おめでとう。」
「龍崎部長、今日はお忙しいところありがとうございます。」
健斗が私の方を向いた…
眩しい爽やかな微笑み…
「た…高山さん、おめでとうございます。お幸せに…」
「鈴木さん、ありがとうございます。」
私は無意識に龍崎さんの袖を握っていた。
「恵美…大丈夫か…?」
「…うん。心配しないで…」
心臓がチクチクした…
でも…健斗は幸せそう…よかった…
おめでとう…健斗…
幸せになってね…
私も前に進まなくちゃ…
もうすぐ式が始まる。
龍崎さんは会社の人達に囲まれ話をしている。
私は教会の庭で、海を見ていた。
キラキラと波が輝いている…
太陽が気持ち良い…
その時…
後ろから誰かに手を引かれた…
驚いて振り向くと…
「…高山さん!」
健斗は人差し指をを口に当て、庭の木陰に私を引き寄せた。
驚く私を、健斗は力強く抱き締める。
「た…高山…さん…どうして…」